PMI成功に向けた考え方と実践ポイント
M&Aにおいて、契約締結やクロージングがゴールだと誤解されがちですが、実は本当の勝負はその後の「PMI(Post Merger Integration)」にあります。
本記事では、買収後の統合作業に悩む経営者・M&A担当者に向けて、PMIの成功に必要な考え方と実践ポイントを解説します。
PMIとは何か?
PMI(Post Merger Integration)とは、買収後に行う組織・人事・システム・文化・戦略などの一体化を指します。
目的は、M&Aによって期待された成果(売上拡大、コスト削減、新規市場進出など)を実現することです。
PMIが失敗する典型例
- キーマンの離職によりノウハウが失われる
- 社員間の対立・不安による士気低下
- 顧客対応の混乱で売上が落ちる
- ITや業務プロセスが統合できず非効率に
- 経営方針の違いで戦略実行にブレーキがかかる
こうした失敗は、すべてPMIの設計不足や実行体制の弱さに起因しています。
PMI成功のための5つの秘訣
- 統合目的を全社で明確に共有する: なぜこのM&Aを行ったのか、統合後に何を実現したいのかを社内全体に明示することが出発点。
- 統合計画(PMIプラン)を事前に設計する: 買収前の段階から、Day1(初日)〜100日間の行動計画を設計。KPIを明確にし、進捗を定量的に管理する。
- コミュニケーションを徹底する: 被買収企業側の従業員に対して丁寧な説明・対話を行うことで、不安を和らげ離職を防止。
- キーマンの確保と巻き込み: 買収後も残ってもらうべき人材を明確にし、インセンティブや権限委譲で動機づけする。
- 統合責任者を任命し、専任チームをつくる: PMIは「片手間業務」では失敗する。責任者とチームを明確にしてリーダーシップを発揮させる。
ロタンダコンサルティングの支援
当社では、契約前から統合設計を見据えた支援を行い、PMI専任チームの設置、KPI設計、人事制度調整、現地マネジメント連携など、実務面での伴走支援を強みとしています。
まとめ
PMIとは「統合」ではなく、「新たな組織を創るプロジェクト」です。
買収の真の目的を果たすために、早期からの準備と丁寧な実行が必要不可欠です。
成功するPMIを通じて、M&Aの成果を確実に実現していきましょう。

